鯉を育てる〜鯉養殖について〜

養殖地と方法

(1) 溜池養魚 山形や福島地方に多い(湧き水が出る溜池)
(2) 流水養魚 福岡県や長野地方(近くに良い水質の一級河川がある)
(3) 網飼養魚 霞ヶ浦、九州の池田湖(大型湖がある)

自社溜池養殖のチャート

① 鯉は水温が15℃位になると産卵を始める。5月中旬から採卵し孵化させ稚魚池に放養する。
② 稚魚池に放養した稚魚は秋までは50~100gまで成長する。
③ 越冬した②の鯉を新仔という。
④ 新仔は春、水温が10℃~15℃となる桜の開花時期頃に溜池に放養し、餌を与える。

4月 水温15℃以下

餌の特徴:餌は水温が低い内は、油分の少ないものを使う。回数と量:1日1回、体重の0.2%~0.5%

5月 水温15℃以上

餌の特徴:餌は水温が高くなると、蛋白質の高いものに移行する。回数と量:1日2回、体重の1%

6~8月中旬 水温20℃~25℃

餌の特徴:水温が20℃位から、油分を添加した餌に変える。回数と量:1日2回、体重の2%水温が20℃を超えると成長も盛んになり、特に25℃前後が適温で、鯉が一番成長する良い時期である。
しかし水温が25℃位になると、水中の酸素の量が少なくなるため、酸素量を計りながら、酸素が少ない時は餌の量を減らしたり、餌を止めることも重要である。

10月 水温20℃以下

餌の特徴:水温が低くなると食べる餌の量も減るが、越冬のために体内に脂肪を蓄積する。回数と量:1日1回、体重の1%

11月 水温15℃以下 出荷と越冬下

15℃を切ると餌はほとんど食べなくなるので、完全に餌止めをする。水温が10℃を切る11月初旬になると、溜池より順次取り上げ、1kg~2kgサイズを地下水で畜養して〆て出荷する。
養殖して2年目の新仔で1kgに満たないサイズを湧き水が湧く溜池に移し、翌年も育成する。特に充分育ち切れなかった新仔のメス鯉の500gサイズは、3年目の11月には見事に卵を持った卵持鯉となる。

ポイント

  • 越冬し水温が上がった時に食欲を増すが、その時に餌をやり過ぎると、内蔵に負担がかかり弱ってしまう。
  • 夏の酸素不足時の餌の調整
  • 9月末の水温が25℃を切る頃に、水変わりといって夏の水から秋の水になる時の水温の変化により、内臓に障害が起きる。
  • コイヘルペスウィルス症(KHV)に罹らないためにも、上流に鯉が棲息できない河川からの取水か、湧き水が出る溜池などの養殖池を確保すること。

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